2013年8月8日木曜日

あの夏、

ちょうど12年前の夏に千と千尋の神隠しを観に映画館に何回もひとりで行った気がする。 初めて行った時に、自転車で隣の駅の映画館まで坂道を上ったりしながらたどり着ける映画館で、汗もかいていた気がする。 映画を観た帰りに、家で何かその映画を受け取ったはいいがどうしていいかわからず、それをノートに必死になってつづった覚えがある。 その映画館の世界観に自分が入り込んでしまって、現実よりもそっちの方が自分のいるべき場所のような。 僕は千と千尋の神隠しがジブリでは一番好きだ。 主人公はまったく誰も知らない世界で、ともかく働かなければいけなくなる。 その時にひとり、ぎりぎり自分との接点を覚えているというのが川の主、こはく川なんだ。 それは人じゃない。 川と人なんだ。 あちら側の世界であれば、人と人として会うことが出来るが、こちら側に戻れば、人と川との関係でしか出会えないかもしれなくて。 そういうことってつきつめればあるのかもしれない。 ひじょうに切ないし、くるしい、 夏ってのはほんとうに変で説明がつかない。 風立ちぬ。 何回も涙が出た。 きゅるきゅるした。 何かを決意した時に、日本人の性なのか、ほんとうはどこかでぽろぽろとこぼれおちつつも、大丈夫です、と立ち上がっていく感じがするよ。でも、それは誰彼と交じらすことでもなくて。しかもそんなことはせかいは置いていって気づかない、とうぜんのように。 「夢だ、夢だと思う。」 それしかない。それしか見るものはない。子供の頃のときめきを今もまだ忘れない時間、瞬間を増やす事。 人がどうとか関係ない、夢だけがきらきら輝いている、やらなきゃならないことが膨大に目の前に広がっている。今日も世界中の空を美しく優雅に飛行機がとんでいく、、、ブーンという音を鳴らして、子供達はそれを見上げる。

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